日本健康運動研究所
女性のライフステージと、体と心の健康運動

はじめに

脚のだるさやむくみは、日常生活において少なからず自覚する機会が多いと思います。
長時間、座ったまま、立ったままといった「同じ姿勢」で自覚を訴え、部位としては、ふくらはぎ、足の甲やすねの部分で感じる方が多いです。
なお、ふくらはぎは下腿三頭筋ともいわれ、表面にある「腓腹筋(ひふくきん)」と深層にある「ヒラメ筋」の2種類に分類されますが、アキレス腱につながり踵(かかと)の骨につきます。

長時間同じ姿勢でいると、体を大きく動かすことがほとんどありません。そのため、筋肉はその姿勢を支えるだけになり、ポンプのように縮めたり伸ばしたりなど、ダイナミックに動かす機会が少なくなります。その結果、末梢にある血液や水分などを心臓(中枢)へ戻しづらくなり停滞しやすくなることで「むくみやだるさ」といった自覚をもたらすことになります。

※下肢静脈瘤や内臓疾患などに伴う浮腫の場合は、上記にあてはまらない内容があります。

筋肉のポンプ作用を増やす強くする、そして、末梢部分にアプローチした運動が望ましいと考えます。
ここでは、特に、膝から下の部分の下腿(ふくらはぎやすね)から足部の筋肉に着目し、脚のむくみやだるさにアプローチした運動を5種目ご紹介します。

普段使うことのない筋肉もあるため、最初は痛く感じるかもしれません。
「痛いけど気持ちいい」を目安にしながら、硬くなり、動かしづらくなった関節や筋肉を少しずつ動かし、足首や足裏、足のゆびの動きを良くしていきましょう。

脚のむくみやだるさになりやすい生活習慣

  • 長時間、立ったままや座ったままの姿勢が多い
  • 脚(特にふくらはぎや太もも)の筋肉が少ないと思う
  • 足のゆび、足裏、足首を意識して動かす機会が少ない
  • 脚(ふくらはぎ)や足(足首、足の甲、足のゆび)の冷えを感じることが多い
  • 水分摂取が少ない

脚のだるさやむくみのセルフチェック
(運動前後での比較、運動開始前と運動継続後との比較)

A.ふくらはぎやすね、足の甲の状態

ふくらはぎやすね、足の甲を手指などで押してみる。

  • パンパンに腫れたような感じがする
  • 押さえたゆびなどを離しても、数秒以上、へこんだままの状態になる
    ※左右両側とも行い、違いを確認する
    ※長期に渡り、上記の状態が続く場合は医療機関を受診する

B.足趾(あしゆび)の動き

「グー」足ゆびを丸め込むように
「チョキ」拇趾(ぼし)を手前に、残りの4本ゆびを丸め込むように
「パー」足ゆびを真横に広げるように
各々の動作を大きく行う

  • 動かしているはずなのに、動かない
  • 足ゆびが固まっている感じがする
  • できる動きとできない動きがある
    ※左右両側とも行い、違いを確認する

C.しゃがみ動作(足首の動き)

脚を腰幅に広げ、足先を前に向けた状態でゆっくりとしゃがみ動作をする
足首のかたさを確認する

  • かかとが床から浮いてしまう
  • 体が前や後ろへ倒れそうになる
    ※和式トイレが使えない

脚のだるさやむくみの運動

(1)ヒールアップ(膝を伸ばした状態) ふくらはぎの筋肉:「腓腹筋」にアプローチ

  1. 姿勢をまっすぐ、両腕は肩の高さで壁に軽く添え、脚を腰幅に開く
    ※壁に自分の体重をかけない
    ※足先はまっすぐ前に向ける
    ※5本の足趾(あしゆび)をしっかり広げる
  2. 母趾球(ぼしきゅう:内側、第2関節下にある骨)に体重を乗せながら、ゆっくりと踵(かかと)をあげる【3カウントで】
    ※まっすぐ上方向に挙げる
  3. 踵(かかと)をあげた状態で、姿勢を保持する【少なくとも1カウント】
    意識:天井方向へ体が伸びる
  4. 反動をつけずにゆっくり元に戻す【3カウントで】
  • 10回1セットを目安に、慣れてきたら2?3セット行う
  • 踵(かかと)を挙げてもバランスを崩す時は両腕を体側に置いたまま行うとよい
  • 足ゆびグーパー(下記(3))、足裏ほぐし(下記(5))の後に行う方が足部の柔軟性が増し、安定しやすい

(2)ヒールアップ(膝を曲げた状態) ふくらはぎの筋肉:「ヒラメ筋」にアプローチ(解剖図参照)

  1. 姿勢をまっすぐ、両腕を体側に置き、脚を腰幅に開く
    ※足先はまっすぐ前に向ける
    ※5本の足趾(あしゆび)をしっかり広げる
  2. 軽く膝を曲げる
    ※膝がつま先より前へ出ないようにする
  3. 母趾球(ぼしきゅう:内側、第2関節下にある骨)に体重を乗せながら、ゆっくりと踵(かかと)をあげる【3カウントで】
    意識:踵をあげた際、頭の位置が上下動しないよう、一定の高さにする
  4. 踵(かかと)をあげた状態で、姿勢を保持する【少なくとも1カウント】
  5. 反動をつけずにゆっくり元に戻す【3カウントで】
  • 10回1セットを目安に、慣れてきたら2?3セット行う
  • イスに座った状態で行ってもよい(座っている分、自分の体重が負荷とならないため運動強度は弱い)
    下記「座りながらふくらはぎを動かし、筋肉のポンプ作用を高める」を参照
  • 足ゆびグーパー(下記(3))、足裏ほぐし(下記(5))の後に行う方が足部の柔軟性が増し、安定しやすい

(3)足ゆびグーパー

  1. 座った状態で、足趾(あしゆび)を両手指で持つ
  2. 両手を使って、足趾の下にある関節から大きくしっかりと伸ばす【5カウント保持】
    意識:足裏側から骨が浮き出るように
  3. 両手を使って、足趾の下にある関節から大きくしっかりと曲げる【5カウント保持】
    意識:足の甲側から骨が浮き出るように
  4. 両手を使って、足趾(あしゆび)間のスペースをしっかり作る【5カウント保持】
    意識:足趾(あしゆび)の根元から広げる
  • 1?4を5?10回を目安に行うと良い

(4)つま先引き寄せ

  1. イスに座り、鍛える脚を前方にして、膝を軽く曲げる
    ※両腕は太ももに置く
  2. かかとを床につけた状態で、足首を曲げてつま先を手前に引き寄せる【3カウントで】
    ※足首をしっかり動かして引き寄せる(足ゆびだけを使って引き寄せるとつる場合があるので注意)
    意識:すねの筋肉を使っている
  3. 引き寄せたまま保持する【少なくとも1カウント】
  4. 元に戻す【3カウントで】
  • 10回1セットを目安に、慣れてきたら2?3セット行う

(5)足裏ほぐし

  1. イスに座り、ゴルフボールかテニスボールを足裏に入れる
    ※ボールが滑ったり、転がる場合はタオルなどを敷くとよい
  2. 膝の下にかかととボールがあるのを目安にし、体重をかけながら真下へ押し込む
  3. 膝の下に土踏まずとボールがあるのを目安にし、体重をかけながら真下へ押し込む
  4. 膝の下に足ゆびとボールがあるのを目安にし、体重をかけながら真下へ押し込む
    意識:足ゆびをほぐす場合、ゆびとゆびの間を広げるようにしてボールを入れる
  5. 足裏を使い、ボールを前後に転がす
  • ボールを「かかと、土踏まず、足ゆび」「真ん中、外側、内側」と部位を前後左右に移動させながらほぐすことで、足裏全体がやわらかくなりやすい

座りながらふくらはぎを動かし、筋肉のポンプ作用を高める

「運動する時間がなかなか取れない方」+「座って仕事をする方」には、(2)ヒールアップ(膝を曲げた状た状態)をイスに座りながら行うようにお奨めしています。
ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)のうち、「ヒラメ筋」を多く使いますが、筋肉を収縮させることで血流が良くなります。
(2)ヒールアップ(膝を曲げた状態)と方法は同じですが、イスに座って行う際、膝の真下に足ゆびが来るようにして、踵(かかと)をあげると足首を大きく動かすことができます。

もくじ

ステージ 成人期
20〜39歳
中年期
40〜64歳
高齢期
65歳〜





肩こり、肩の痛み〔50代:肩こりの他、五十肩(肩関節周囲炎)〕
腰痛、腰のだるさ(50代~:腰部脊柱管狭窄症)
膝痛(50代~:変形性膝関節症)
脚力低下→全身体力低下→転倒→骨折→寝たきり
骨粗鬆症→転倒骨折(手首や大腿骨)、脊椎圧迫骨折
生活習慣病(肥満、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常)
→冠動脈疾患、脳血管疾患、合併症
月経前症候群(PMS)(~50代前半)
更年期症状(~50代前半)
体型・体調変化(出産に伴う)
脚のだるさやむくみ
※本図の各項目は一般的な内容を挙げており、各々、個人差や個体差があります

この連載について・筆者プロフィール

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